2009 Fiscal Year Annual Research Report
ドメイン配向制御を指向した有機半導体単位を含むブロック共重合体の創製
Project/Area Number |
20550160
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
荻野 賢司 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10251589)
|
Keywords | ブロック共重合体 / 垂直配向 / ミクロ相分離 / ラメラ / シリンダー / 熱アニール / 溶媒アニール / 光電変換素子 |
Research Abstract |
本申請課題では、ポリチオフェンやポリアリールアミンのようなドナー性のp型高分子半導体の末端を化学修飾し、ドナー性高分子とアクセプター性部位が形成する界面構造をその方向性も含めて自己組織的に制御する手法の確立を目的としている。平成21年度は組成比の異なるポリチオフェンとポリエチレンオキシドからなるブロックコポリマーP3HT-b-PEOを合成した。そしてP3HTあるいはP3HT-b-PEOとPCBMのブレンド(重量比1:1)を用い、熱アニーリングや溶媒アニーリング処理を施した光電変換素子を作製し評価した。熱アニーリング処理を行った素子を作製し、膜厚、及びブロック組成の最適化を検討したところ、膜厚は70nm付近が良く、P3HT-b-PEOにおけるPEOの組成比は7%前後が良いことがわかった。熱アニーリングを行った素子では従来のP3HTを使用した素子では変換効率が1.38%であるのに対して、P3HT-b-PEO(PEO組成比6.9、9.3%)を使用した素子ではそれぞれ1.53%、1.46%でブロックコポリマーを使用した方が性能が良かった。これはPEOの存在により電荷分離に適した相分離構造が形成できたためである。次に最適な膜厚の下、溶媒アニーリング処理をした素子を作製しその評価した。溶媒はクロロホルム、クロロベンゼン、CS_2を使用した。その結果、P3HTを使用しCS_2(1h)でアニーリングした素子において最も性能の向上が見られた。一方、同様の条件でP3HT-b-PEOを用いた素子ではP3HTほどの性能は出ず、熱アニーリングを行った素子よりも性能が下がってしまった。用いる材料により最適な溶媒及びアニーリング時間が異なること、また素子として最適な膜厚と溶媒アニーリングに適した膜厚が異なることなどが考えられるので、P3HT-b-PEOを用いた素子では、更なる検討が必要であることがわかった。
|