2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドメイン配向制御を指向した有機半導体単位を含むブロック共重合体の創製
Project/Area Number |
20550160
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
荻野 賢司 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10251589)
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Keywords | ブロック共重合体 / ブレンド薄膜 / 形態制御 / ポリスチレン / ポリチオフェン / 光電変換効率 / 溶媒アニール / 熱アニール |
Research Abstract |
本申請課題では、ポリチオフェンのようなドナー性のp型高分子半導体の末端を化学修飾し、ドナー性高分子とアクセプター性部位が形成する界面構造をその方向性も含めて自己組織的に制御する手法の確立を目的としている。平成22年度は不活性成分として、低極性でフラーレン誘導体と比較的親和性のあるポリスチレンを含むポリ(3-ヘキシルチオフェン)-block-ポリスチレン(P3HT-b-PS)の合成した。末端にホウ酸エステルを含むポリスチレンを原子移動ラジカル重合により合成し、片末端に臭素を持つP3HTと鈴木カップリングさせることで目的ポリマーを得た。分子構造解析によりホモポリマーのコンタミネーションのないブロック共重合体が得られたことを確認した。DSC測定からP3HT由来の融点、PS由来のガラス転移が観察され、ミクロ相分離構造が示唆された。得られたP3HT-b-PSとフラーレン誘導体である[6,6]・フェニル-C_<61>-ブタン酸メチルエステル(PCBM)とブレンドフィルムを作製し、そのモルフォロジー観察と光電変換特性について検討した。ブロック共重合体をベースとした薄膜を熱アニールしたところ、同一条件のホモポリマーの場合と比較して相分離が明確になった。PS鎖がPCBMの凝集を促進していると考えられる。また、アセトン蒸気による溶媒アニールの結果、さらに相分離が進行した。ITO/PEDOT:PSS(30nm)/活性層/LiF(0.5nm)/A1(100nm)という構成の.素子を作製し、光電変換特性を測定した。変換効率は熱アニールしたものが最も高く(1.93%)、P3HTホモポリマーをベースにした素子より効率が高かった。溶媒アニールでは、PCBMのドメインサイズが増加しすぎたため、変換効率が下がったと考えられる。
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