2008 Fiscal Year Annual Research Report
アクティブ相分離による含ケイ素高性能ホログラフィグレイティングの創製
Project/Area Number |
20550161
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
趙 英姫 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 特任助教 (50359717)
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Keywords | ホログラム記録材料 / シロキサン架橋構造 / 加水分解・重縮合反応 / ホログラフィックグレーティング / 回折効率 / 角度選択性 / 体積収縮率 / 相分離速度 |
Research Abstract |
新規ホログラム記録材料としてシロキサン架橋構造を有するアルコキシシラン誘導体を用い、加水分解・重縮合反応によるシロキサン架橋形成がホログラムの性能にどのような影響を与えるかを検討した。シロキサン架橋反応によるポリマーマトリクス形成で、ホログラフィックグレーティングの性能を改良した。リアルタイム回折効率と角度選択性測定を行い、体積収縮率の少なく高い回折効率を示す優れたホログラフィーグレーティングを製作した。このプロセスはラジカル重合反応の代わりにシロキサン架橋反応を利用することで、マルチファンクショナルアクリレートによる初期の過剰な架橋反応を抑えながらも、理想的な総架橋密度は維持することができた。このような架橋反応は、ラジカルとプロトンを同時に発生させる光開始反応系によって可能となった。したがって、適切の光開始剤と光増感剤を選び、その最適な条件を探す実験を行った。 シロキサン架橋反応を利用する系では、相分離速度は単純なマルチファンクショナルアクリレートと比較するとそれほど速くないが、ラジカル重合の次に起こるシロキサン架橋形成によって液晶を完全に相分離させることで、高回折効率のホログラフィー材料を実現した。 以上のことから、体積収縮率の改善とともに高い回折効率を示す高分子分散液晶型ホログラフィーグレーティングの作製し、ホログラフィック用グレーティング形成モノマーとしてメタクリレートを有するアルコキシシラン誘導体を用い、光プロトン発生系を利用したラジカル重合反応とシロキサン架橋反応によるポリマーマトリクス形成によって、ホログラフィー材料の作製および性能評価を行った。 さらに、親水性のあるウレタン結合やヒドロキシ基がシロキサン架橋反応に与える影響を検討し、その結果を踏まえ、新奇なアルコキシシラン誘導体の合成およびホログラフィー材料の作製、性能評価を行った。
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Research Products
(11 results)