2008 Fiscal Year Annual Research Report
高移動度を有する有機アモルファス材料を用いる有機光電変換素子の開発
Project/Area Number |
20550164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
景山 弘 Osaka University, 大学院・工学研究科, 講師 (50294038)
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Keywords | アモルファス分子材料 / トリス(オリゴアリレニル)アミン / 有機光電変換素子 |
Research Abstract |
有機光電変換素子は、太陽電池あるいは光検出器としての応用が期待され、活発な研究が行われている。有機光電変換素子用材料には一般に高い電荷移動度が求められ、現在、結晶性材料が主な研究対象となっている。一方、アモルファス材料は、結晶性材料に比べて一般に電荷移動度が低いが、粒界がなく均質な薄膜を形成し、有機光電変換素子用材料として有望であると期待される。 申請者らは、これまでに、新規正孔輸送性アモルファス分子材料、tris[4-(2-thieny1)pheny1]amine(TTPA)およびtris[4-(5-phenylthiophen-2-yl)phenyl]amine(TPTPA)、を設計・合成し、これらが、有機非晶固体としては最高レベルの正孔移動度(約10^<-2>cm^2V^<-1>s^<-1>)を示すことを明らかにしている。TTPAおよびTPTPAは、多結晶銅フタロシアニンに匹敵する移動度を有しており、優れた有機光電変換素子用材料となることが期待される。本年度は、TTPAおよびTPTPAをドナーとして用いる有機光電変換素子を作製し、その光電変換特性を評価した。 PEDOT : PSSを塗布したITO基板上に、TTPA(30nm)あるいはTPTPA(30nm)およびC_60(40nm)を真空蒸着法により製膜し、その上に、LiFおよびA1電極を真空蒸着法により設け、素子を作製した。白色光(AM1.5G,100mWcm^<-2>)照射下における短絡光電流、開放端電圧、fill factorおよび変換効率は、それぞれ、2.5-2.6mAcm^<-2>、0.92-0.95V、0.62-0.71および1.5-1.7%であり、これらの素子は、これまでに報告されているアモルファス分子材料を用いる有機光電変換素子の中で最高レベルの性能を示すことを見出した。
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Research Products
(4 results)