2010 Fiscal Year Annual Research Report
高移動度を有する有機アモルファス材料を用いる有機光電変換素子の開発
Project/Area Number |
20550164
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
景山 弘 大阪大学, 工学研究科, 講師 (50294038)
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Keywords | アモルファス子材料 / トリス(オリゴアリレニル)アミン / 有機光電変換素子 |
Research Abstract |
有機光電変換素子は、太陽電池あるいは光検出器としての応用が期待され、活発な研究が行われている。有機光電変換素子用材料には一般に高い電荷移動度が求められ、現在、結晶性材料が主な研究対象となっている。一方、アモルファス材料は、結晶性材料に比べて一般に電荷移動度が低いが、粒界がなく均質な薄膜を形成し、有機光電変換素子用材料として有望であると期待される。今年度は、研究代表者が開発した高移動度を有するアモルファス材料をp型半導体、可溶性フラーレン誘導体をn型半導体として用いるバルクヘテロ接合型素子について、作製条件の最適化とそれに基づく高性能有機薄膜太陽電池の開発に関する研究を行った。また、本課題を遂行する過程で、有機薄膜太陽電池の性能向上のための新しい方法論を偶然見いだし、その機構解明に関する研究を行った。 (1) 溶液プロセスで作製するバルクヘテロ接合型素子について、アクセプターの種類、濃度、加熱処理温度等の最適化を行い、変換効率3.8%を示す素子を開発し、高移動度を有するアモルファス材料が、有機薄膜太陽電池用のドナー材料として有望であることを示した。 (2) 二層型有機薄膜太陽電池において、有機層/陰極界面にMoO_3を極薄く蒸着することにより、太陽電池の性能を約1%向上できることを見いだした。さらに、発光スペクトルやX線光電子スペクトルなどの手法を用いて性能向上のメカニズムを明らかにし、有機薄膜太陽電池の高性能化のための新しい指針を提示した。
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Research Products
(19 results)