2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550165
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山中 淳平 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 教授 (80220424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊玉 彰子 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (50453072)
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Keywords | コロイド結晶 / 荷電コロイド / フォトニック結晶 / シリカコロイド / 帯域融解 / ゾーンメルト / 単結晶 / 結晶成長 |
Research Abstract |
本研究では、代表研究者らが最近見出した「温度変化による荷電コロイドの結晶化」技術にもとづき、金属・半導体材料の単結晶化/高純度化に用いられる熱アニール法および帯域融解(ゾーンメルト)法を荷電コロイド結晶に対して適用する。これにより、結晶グレイン境界・転移構造等の、種々の結晶格子欠陥を除去する手法を確立することを目的とする。得られた大型(数cm×数cm×1mm)・高品質の結晶を高分子中に固定し、自立した耐久性のある材料とする。本研究により、フォトニック結晶など新規光学素子として活用可能な、優れたコロイド結晶材料が構築できるものと期待される。 昨年度の検討をもとに、本年度はペルチェ素子のアレイを備えた帯域融解装置を作成し、各素子の温度、周囲温度、および試料の結晶化温度を系統的に変化させることで、結晶成長条件の最適化を行った。厚さ1mm×幅1cm×長さ数cmの結晶材料を得ることに成功した。また、ハイスピードカメラを備えた反射顕微鏡により、結晶成長ダイナミクスを一粒子単位で観察することに成功した。結晶成長時の点欠陥や双晶欠陥の形成過程を、その場・実時間観察することができた。さらに、作成した結晶構造を高分子ゲルを用いて固定したのち、高輝度放射光施設(Spring-8)の小角および超小角x線散乱測定装置を用いて測定し、結晶構造や単結晶性について知見を得た。一粒子観察および散乱実験により、結晶の品質に対する帯域融解処理の効果を評価でき、次年度は評価結果を作成条件にフィードバックしてさらに最適化を進展させる予定である。
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