2009 Fiscal Year Annual Research Report
層状半導体の剥離ナノシート分散体による光エネルギー変換系の構築
Project/Area Number |
20550171
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中戸 晃之 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (10237315)
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Keywords | 層状ニオブ酸塩 / 剥離 / ナノシート / 分散体 / 半導体光触媒 / 水の分解 / エマルション |
Research Abstract |
層状ニオブ酸塩(K_4Nb_6O_<17>)を水中で剥離させたナノシートのコロイド分散体中で、半導体であるニオブ酸ナノシートの光触媒反応に対する共存物質の効果を調べた。また、構造の異なる分散体を開拓する目的で、有機修飾ニオブ酸を乳化剤に用いるエマルションの形成を検討した。 共存物質の効果については、すでに粘土ナノシートの共存下での分散体の光化学的挙動を検討している。今年度は、光触媒的水素発生に対する電解質の添加効果を検討した。ニオブ酸ナノシート単独の分散体への電解質添加では活性が向上したが、粘土共存系への添加では活性は低下した。また、助触媒として白金を用いると、白金が半導体ナノシートに担持されているときには電解質添加は活性を抑制するが、白金が単独の微粒子として分散している場合は、電解質添加によって活性が向上した。電解質添加はナノシートを凝集させるので、これらの結果は、半導体ナノシートからの光触媒的水素発生には、分散粒子が互いに独立していれぼよいわけではなく、半導体ナノシートと助触媒など、粒子の機能によっては近接しているべきであることを示す。 有機修飾ニオブ酸を乳化剤に用いるエマルションの形成については、アルキルアンモニウムイオンを修飾剤とすることで、エマルション形成が可能となること、およびそのエマルション形成挙動が修飾剤のアルキル鎖長の違いを反映することを見出した。さらに、エマルション中でニオブ酸による光触媒反応が進行することも確認した。これらより、層状ニオブ酸がエマルションという、これまで検討してきたナノシート分散体とは組成・構造の両面で異なる分散体を形成すること、およびエマルションが光機能材料として応用可能であることがわかった。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
中戸晃之
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Journal Title
機能性粘土素材の最新動向(小川誠監修)(シーエムシー出版)
Pages: 320(70-86, 299-314)
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