2009 Fiscal Year Annual Research Report
結晶育成時の融液中への異種元素微量添加による結晶欠陥低減機構の解明
Project/Area Number |
20550173
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
綿打 敏司 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (30293442)
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Keywords | 酸化チタン(ルチル) / 単結晶 / 浮遊帯域溶融法 / 不純物効果 / 結晶欠陥 / 欠陥評価 / エッチピット / 固液界面形状 |
Research Abstract |
20年度育成結晶中の欠陥分布を調べたところ、結晶の外周部で欠陥密度が高く、中心部で低いことが分かった。この原因を探るために21年度は、育成中の固液界面形状に力点を置いた研究を行った。その結果、固液界面の形状は著しい凸型をしており、外周部に近いほど界面は大きく傾いていることが分かった。更にこの界面の形状の効果を調べるために結晶育成時の加熱光源からの集光加熱法を工夫した。具体的には加熱光源からの光を融液に対して水平方向から集光加熱する従来の方式から少しずつ傾けるという方法で加熱した場合の固液界面形状の変化と育成結晶中の欠陥分布との相関を調べた。その結果、傾ければ傾けるほど固液界面の形状は平坦なものに近づいた。一方、単結晶育成に必要な電力は増加した。そのため20°以上傾けた条件ではランプ出力を最大にしても育成することはできなかった。異なる傾斜角度の条件で育成した単結晶を複数用意し、各単結晶の欠陥分布を調べたところ、単結晶育成時に加熱光源を傾けて、固液界面が平坦に近い条件で育成した単結晶ほど欠陥密度が減少していた。欠陥密度の減少の度合いは、育成結晶の外周部分でより大きかった。このことから、単結晶育成時の固液界面の形状が平坦に近いほど全体の欠陥が小さいだけでなく、結晶の外周部と中心部の欠陥密度に差がない、より均一な欠陥分布となっていることが分かった。今後よりランプ出力を高めると同時に20°以上傾けられるような装置を製作し、これまで以上に平坦な固液界面形状を実現し、その条件で育成した結晶の欠陥評価などを行いたいと考えている。
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Research Products
(4 results)