2010 Fiscal Year Annual Research Report
結晶育成時の融液中への異種元素微量添加による結晶欠陥低減機構の解明
Project/Area Number |
20550173
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
綿打 敏司 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (30293442)
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Keywords | ルチル単結晶 / 界面形状 / エッチピット密度 |
Research Abstract |
前年度に見出した、固液界面形状の変化とエッチピットの関係については今年度2報の論文として発表した。今年度は、この固液界面形状にも影響されるエッチピット密度の分布がどのような異種元素を添加したルチル単結晶でも育成結晶の中心でエッチピット密度が小さく、周辺部で大きいという分布になっていることに着目した。その原因を調べるために、固液界面形状が可能な限り平坦となる条件で径の異なるルチル単結晶を育成し、エッチピット密度分布の結晶径依存性を調べた。10mmφ,15mmφ,19mmφのそれぞれ径の異なる結晶についてエッチピット密度分布を調べた結果、いずれの結晶でも育成結晶の中心で最小のエッチピット密度を示し、その値は、1.0~1,4×10^4/cm^2であった。また、周辺部分で最大の値をとり、その値は、8~13×10^4/cm^2であった。このようにエッチピット密度の最大値、最小値に関しては育成結晶径によらないことが分かった。しかし、その分布については、育成径が小さいほどV字分布に近いのに対して、育成径が大きくなるほどU字分布に近くなる傾向があることを見出した。すなわち、育成結晶径が大きくなるほど、エッチピット密度の低い領域が大きくなることを見出した。この結果についても今年度3報目の論文として発表した。これまでの研究を通じて得られた知見、すなわちイットリウムを融液に添加することでエッチピット密度を低減できること、を踏まえて、今回のこのエッチピット密度の小さな領域が増える大口径の単結晶育成する条件でも融液にイットリウムを添加することで一層エッチピットを低減しようと試みたが、微量のイットリウムを融液に加えた条件で大口径の単結晶を育成することは困難であった。
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Research Products
(6 results)