2008 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ネットワークを持つ新しい共有結合性金属化合物の合成と物性評価
Project/Area Number |
20550178
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福岡 宏 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 助教 (00284175)
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Keywords | ジャーマナイド / 半導体ネットワーク / 超伝導体 / 高圧合成 / ゲルマニウム / Zintl相 / 金属間化合物 |
Research Abstract |
1.Prを含む二元系ジャーマナイドの合成 10万気圧以上の高圧力下における反応を利用することによって、新化合物PrGe_3の合成に成功した。本化合物は重い電子系で有名なCeGe_3に類似の結晶構造を持ち、スクッテルダイト系やクラスレート系と同様に、立方対称場をもつカゴの中心にPrが位置する興味深い化合物である。構造解析の結果、結晶構造中に特異なGe_6正八面体ユニットが形成されていることがわかった。Zintlアニオン的な共有結合クラスターを含むジャーマナイドはいくつか報告されているが、本系は正八面体クラスターを含む初めての合金系ジャーマナイドである。また、立方晶の単位胞を持つ本化合物は基本構造であるCu_3Au型に対して各軸に2倍の超構造を持つが、その原因の一つが強い八面体クラスターを形成するGe-Ge共有結合の安定化にあることを解明した。 2.新規超伝導体Lu_3Ge_7の高圧合成 我々は以前にLuGe_3-δという組成式をもつ新化合物を今成し、これがTc=3Kの超伝導体であることを報告した。本研究ではLu-Ge二元系における新しい超伝導体の探索を目標にあげているが、今年度、13万気圧という高圧下での反応によって新化合物Lu_3Ge_7の合成に成功し、本化合物が、Tc=3.4Kの新規超伝導体であること見出した。組成分析ならびに粉末X線回折測定結果の解析から、その構造はルテチウムイオンがゲルマニウムからなる層間に挟まれたサンドイッチ構造を持つことが推測され、現在詳細な構造解析を進めている。
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Research Products
(4 results)