2008 Fiscal Year Annual Research Report
回転成形による傾斜構造と粒子分散構造を有するプラスチック材料の開発
Project/Area Number |
20550184
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新田 晃平 Kanazawa University, 自然システム学系, 教授 (70260560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 幸伸 金沢大学, 自然システム学系, 助教 (20377401)
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Keywords | 回転成形 / 傾斜材料 / ポリオレフィン / 構造解析 / 力学特製 |
Research Abstract |
回転成形過程中の粉体の転動過程や付着過程、緻密化過程等をその場観察する目的で、総ガラス製の一軸回転成形機を製作した。 また、この回転成形機を用い、ポリオレフィン系の粉体の付着過程をその場観察することで、粉体が型壁面に付着し始める温度は、示唆走査型熱量測定で決定した粉体の融点や動的粘弾性測定で決定した流動開始温度と対応していることを見出した。 さらに、付着温度の異なる2種のポリエチレン系粉体を同量混ぜて成形したところ、成形条件によって、厚み方向に異なる層構造が発現することを発見した。2種の粉体を順番に加えた場合、加えた順の2層構造が発現した。また、2種の粉体を同時に加え、2種の粉体の付着開始温度以上の温度で成形した場合は、海島構造を有する1層構造が発現した。さらに、2種の粉体を同時にくわえ、2種の粉体の付着開始温度間で一定時間成形したのち、さらに温度を上昇させて成形する条件では、成形体は3層構造を形成した。 さらに、2種のブレンドの成形体を一軸延伸測定を行ったところ、成形体の力学特性は、各々の成分単体の力学特性の中間の性質を示すものの、その応力レベルは、層構造により大きく異なった。また、ブレンドの成形体の弾性率は、その層構造に対応する幾何学的な和で表すことができるとする高柳モデルの推算値と完全に一致した。 以上より、粉体の付着温度と成形時の温度プロファイルを制御することで、同組成でありながら異なる層構造を有し、異なる力学特性を示す成形体が得られることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)