2010 Fiscal Year Annual Research Report
回転成形による傾斜構造と粒子分散構造を有するプラスチック材料の開発
Project/Area Number |
20550184
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
新田 晃平 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (70260560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 幸伸 金沢大学, 自然システム学系, 助教 (20377401)
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Keywords | 回転成形 / ポリエチレン / 相分離 / ポリマーブレンド / エチレンメチルメタクリレート / 力学特性 |
Research Abstract |
回転成形は、金型を惑星運動させてゆっくりと加熱状態で回転させながら、金型に溶融した高分子流体を埋め込ませる手法であり、大型の成形体を製造する上で、最適な手法である。電気自動車のボディーなど、プラスチック系成形体の大型化が注目される中で、最近注目を浴びている。本研究では、われわれの研究室で作成した小型の一軸型の回転成形機を用いて、新しいタイプのブレンド材料の調製を試みた。その中で、この比較的ゆっくりと成形させるという特徴を利用して、本来混ざらないものを混ぜることが可能であることを実証した。実際には、無極性でプラスチック状のポリエチレン(PE)と極性でゴム状のエチレンメチルメタクリレート(EMMA)樹脂をもちいた。PEの融点とEMMAのガラス転移温度を軸にして、さまざまな温度条件下で回転成形を行いPEマトリック中にEMMA分散状態が大きくことなるさまざまな形態を持つマクロ相分離したポリマーブレンドの調製に成功した。従来のEMMAとPEのブレンドでは、非相溶のため界面の付着性が弱くさらに綺麗に分散できなかった。しかしながら、本回転成形の手法をもちいれば、例えば、数100ミクロンの球状のEMMAを分散させたり、表面から傾斜的にコンポジット相を変化させたり、また完全に2層が貼りあわされたラミネート系のアロイを調製することができた。これは、サブミリオーダーで均一に分散した新しいポリマーブレンドで界面がしっかりとしていることにより、力学物性を大きく変化させることができた。
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Research Products
(4 results)