2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20550187
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
登阪 雅聡 Kyoto University, 化学研究所, 助教 (10273509)
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Keywords | 高分子構造・物性 / 自己組織化 / ナノ材料 / 光物性 / 流体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高分子のトポロジー的特性を利用した手法でナノ粒子の一次元配列、およびその集合体を形成し、そこから発現する電気光学作用を光デバイスや反応場に利用する事である。申請者の発見した自己組織化による手法の他、様々な手法で鎖状配列構造を作製し、電界増強や信号伝達に適した構造を実験的手法で検討する。 前年度に実施した自己組織化以外の手法として、各種高分子と金ナノ粒子のコンポジット材料を伸長する手法について検討を進めた。ナノ粒子配列のテンプレートとなる様な配向分子鎖がゴム状高分子中でどの様に形成されるか、天然ゴムの伸長結晶化挙動を通じて解析し、モデル化を行った。その結果、数倍に伸長しただけで局所的に高配向した分子鎖の生成する事が示唆された。その知見に基づき、ゴムと金ナノ粒子のコンポジットを作成し、伸長による光学特性の変化を測定した。このコンポジット材料について、伸長比と共に増加した複屈折が途中で減少に転じ、ついには複屈折の符号が反転するという特異な挙動が見出された。この結果は、金ナノ粒子配列による電気光学効果のうち、未開拓な領域に相当すると考えられる。 また、別の高分子と金ナノ粒子コンポジットについてエレクトロスピニングを試みた。コンポジットについては未だ配向繊維の作製に成功していないが、高分子単体については多孔質チューブ状の極細繊維が得られた。この繊維の結晶化挙動は、やはり高度に配向した分子鎖の存在を示しており、ナノ粒子チェーン形成のテンプレートとして可能性が示唆された。
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