2010 Fiscal Year Annual Research Report
非対称な多層構造を有する感温性ゲルの合成と屈曲特性
Project/Area Number |
20550189
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
飯澤 孝司 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60130902)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫原 修治 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80108232)
|
Keywords | 感温性ゲル / 高分子反応 / 多層ゲル / 屈曲性 / LCST(下部臨界溶液温度) |
Research Abstract |
平成20、21年度の研究結果から、ポリアクリル酸のDBU塩ゲル(DAA)と各種アルキルアミンとのアミド化を多段で行うことにより、異なる感温性のpoly(N-alkyllacrylamide)層から成る円柱状の多層構造ゲルを合成し、これを長さ方向で2等分にすることにより非対称なかまぼこ型感温性三層ゲルを作製した。以前に合成したかまぼこ型感温性二層ゲルは、それぞれの層の感温性の違いによる膨張・収縮により、大きく屈曲-伸長するが、これを繰り返すと数回で界面から剥離する。一方、コアとシェル層の間に中間の組成を持つ第三層を導入した三層ゲルは、期待通り中間層がゲルの膨張・収縮によるひずみを緩和し、屈曲-伸長を繰り返し行っても界面でのゲルの破壊が起こらなくなることを明らかにした。しかしながら、これまでの合成法では、三層ゲルを作製するのに非常に手間と時間がかかり、実用的な合成プロセスではなかった。本年度はこれを改善し、簡便で高性能の非対称な多層構造ゲルを合成するために、以下の検討を進めた。 1.感温性多層構造ゲルの合成プロセスの一部手直しを行い、シェル層にpoly(N-propylacrylamide)コア層にN-propylacrylamide-co-N-(3-dimethylamino)propylacrylamide共重合体、その中間の組成を持つ第三層から成る簡便なかまぼこ型感温性三層ゲルの合成法を確立した。 2.それぞれの膜厚や共重合体の組成などを調整することにより最適化を行った。 このゲルは水温ばかりか、pHにも反応し大きく屈曲を繰り返すことができ、今後の応用が期待される。
|