2010 Fiscal Year Annual Research Report
オールバイオベース超分子ナノファイバー補強プラスチック材料の創製
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20550194
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
柴田 充弘 千葉工業大学, 工学部, 教授 (60286143)
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Keywords | バイオコンポジット / 光硬化 / エポキシ化大豆油アクリレート樹脂 / 低分子有機ゲル化剤 / ヒドロキシステアリン酸 / カルボベンジロキシ-L-イソロイシルアミノオクタデカン / 自己組織化 / 繊維状ネットワーク構造 |
Research Abstract |
エポキシ化大豆油アクリレート樹脂(AESO)にひまし油由来のR-12-ヒドロキシステアリン酸(HSA)またはN-カルボベンジロキシーL-イソロイシルアミノオクタデカン(CIA)を添加して熱溶解した後、冷却することによりAESO/HSAまたはAESO/CIAゲル状混合物を得た。得られたゲル状物をUV照射により光硬化して架橋AESO/HSAまたはAESO/CIA複合材料(cAESO/HSAまたはcAESO/CIA)を作製した。得られた複合材料のDSCを測定した結果、cAESO/HSAではHSAの結晶化が進行し、cAESO/CIAではCIAの超分子的自己組織化により中間相が形成されていることが分かった。さらに、光学および偏光顕微鏡観察を行った結果、cAESO/HSAでは板状結晶が、cAESO/CIAでは繊維状ネットワーク構造が形成されていることが明らかとなった。両者の構造の違いに対応して、cAESO/CIAではCIA含量の増加により引張強度と弾性率の上昇がみられるのに対し、cAESO/HSAでは逆にHSA含量の増加により引張強度と弾性率が低下した。以上より、光硬化したAESOの分子補強には低分子有機ゲル化剤の結晶化ではなく超分子的な自己組織化による繊維状ネットワーク構造の形成が重要であることが明らかとなった。本研究により開発された低分子有機ゲル化剤を用いた超分子補強複合材料はバイオマス由来、生分解性、マテリアルリサイクル可能や自己修復性などの興味ある特性をもった今までにない新しい複合材料である。本成果については、有審査論文(Polymer Journal)に受理され、現在、印刷中であり、2011年6月号の表紙を飾る論文として選ばれた。
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Research Products
(6 results)