2010 Fiscal Year Annual Research Report
相補的塩橋形成を利用したトポロジカル超分子の創製と応用
Project/Area Number |
20559001
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古荘 義雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00281270)
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Keywords | 相補性 / 塩橋 / トポロジカル構造 / ロタキサン / スイッチ / 二重らせん / テンプレート合成 |
Research Abstract |
本研究では、相補的な塩橋形成を利用してらせんやインターロック構造などのトポロジーを制御することにより、二重ラセンやロタキサン、カテナンおよびノットなどの新しいトポロジカル超分子の構築法を開拓し、トポロジーに由来する新規物性・機能の探求を目指した。 昨年度までに合成に成功した塩橋構造をもつ種々の[2]カテナンについて、構成成分である2つのマクロサイクルユニットの相対運動性について詳細に検討した。この2つのユニットは塩橋を介して連結されているが、酸と塩基を交互に加えることにより、二つのユニットの相対運動性を厳密に制御できることが明らかになった。一方、[2]カテナンにZn^<2+>イオンを加えると、塩橋が切断されるとともに蛍光強度が著しく増大し、かつ長波長シフトすることを見いだした。Zn^<2+>イオンを除くと塩橋は回復し、蛍光は元に戻った。マクロサイクル成分単体ではこのようなスイッチ機能は発現しないことから、[2]カテナンの動的な構造変化に特異的な現象であると考えられる。また、トポロジカル構造の特性を明らかにするために、比較対照化合物として、アミジンとカルボン酸ユニットをもつ単環のマクロサイクルを合成した。興味深いことに、塩橋のon/offを行うためには、カテナンの場合と比べて非常に多い量の酸と塩基が必要であった。このこともカテナンのトポロジカル構造に由来する動的な性質を反映しているものと考えられる。
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[Presentation]2010
Organizer
第21回基礎有機化学討論会
Place of Presentation
名古屋大学,愛知県
Year and Date
20100909-20100911
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