2008 Fiscal Year Annual Research Report
赤外分光法を用いた電子正孔移動度深さ分解法開発による窒化インジウムの輸送特性解明
Project/Area Number |
20560005
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石谷 善博 Chiba University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60291481)
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Keywords | 窒化インジウム / 赤外分光 / 高周波電子デバイス / 電子移動度 / 正孔移動度 / 2次元電子ガス / 散乱異方性 / プラズモン・LOフォノン結合モード |
Research Abstract |
(1)InN中電子・正孔散乱の原因となる欠陥程(1)深さ分解電子正孔密度・移動度測定による内部バルク領域InNの電子輸送特性評価:赤外波長域10um-50umのプラズモン・LOフォノン結合モードに起因する大きな屈折率分散を利用して電子特性の深さ分解を行い、表面蓄積電子の赤外スペクトルへの影響は無視できること(高周波移動度が小さいと解釈)、バルク領域領域の電子密度移動度測定が可能で、2xlO^<17>cm^<-3>までの残留電子密度低下、約5000cm^2/Vsまでの高周波移動度増加が判明した。(2)移動度・プラズモン特性のC軸平行・垂直方向異方性よりキャリア散乱過程の解明:C軸並行・垂直方向の高周波移動度異方性を調べた結果、残留電子密度の低下および刃状転位密度の増加に対してC軸平行方向振動の移動度が減少した。この結果より刃状転位が電子移動度の主な支配要因であることが分かった。(3)発光過程を利用した欠陥評価:In極性n-InNのフォトルミネッセンス(PL)強度測定温度依存性やPL励起スペクトルより非輻射過程を評価した。活性化エネルギーがない非輻射過程が刃状転位周りで発生し、低温城でのPL強度を決定していること、温度上昇に伴うPL強度減少には転位や残留電子源の関与は小さく、その他点欠陥が発光を低減していることが分かった。 (2)p型InN中正孔密度・移動度評価と正孔散乱過程の赤外反射分光解析、赤外分光により表面・界面電子蓄積の影響を排除して正孔密度・赤外高周波移動度の測定に成功した。これにより伝導度の膜厚依存性測定の必要がなく正孔密度・移動度の評価が可能となった。また、正孔は、電子と同様に刃状転位により大きく移動度が低下している一方、MgまたはMgに関する複合欠陥により移動度が減少することが分かった。
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