2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物半導体の光電子物性の解明と紫外線センサーへの応用
Project/Area Number |
20560018
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
齊藤 正 関西大学, システム理工学部, 教授 (30388417)
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Keywords | 光物性 / 半導体物性 / 光デバイス / 物性実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は,酸化物半導体の光電子物性を解明し,小型・簡便な火炎監視装置などに使用できるソーラーブラインド紫外線センサーを実現することにある. 1. チタン酸ジルコニウムのバンドギャップ制御 前年度,チタン酸ジルコニウムにおけるチタンとジルコニウムの組成比を変えることによってチタン酸ジルコニウムのバンドギャップを変化させられることが分かった.バンドギャップ幅を高精度に制御するために,今年度は組成比とバンドギャップの関係を詳細に調査した.ジルコニウムに対するチタンのモル分率を0%から100%まで変化させた結果,バンドギャップとして3.76eVから5.28eVまで変化させられることがわかるとともに,バンドギャップのモル分率依存性に関する詳細なデータを得た.モル分率とバンドギャップは比例関係にあるわけではなく,曲線的は対応を持っていることが分かった.得られたデータは実際のデバイスを作製していくうえで不可欠な基礎データとなるだけでなく,物理的にも組成比とバンドギャップの関係に関する新たな知見を与えるものである. 2. フォトコンダクタンス特性評価 石英基板上に形成したチタン酸ジルコニウム膜にチタン電極を形成してフォトコンダクタを作製し,光電流測定を試みた.前年度測定した酸化ガリウムで作製したデバイスに比べて感度が悪く,光電流値が小さかった.この原因としては,膜質が不良なため欠陥準位により光キャリアが消滅してしまっている可能性や膜厚が薄すぎるために照射光を十分に吸収できていない可能性がある.焼成条件等の成膜条件の最適化,成膜方法のドライ化,デバイス構造の改善など多方面からのアプローチを行っていく必要がある.
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