2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規開発・低速原子散乱による絶縁体表面三次元原子構造マッピング装置
Project/Area Number |
20560023
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
梅澤 憲司 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 教授 (80213487)
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Keywords | 原子散乱 / 表面構造解析 / 絶縁体 |
Research Abstract |
表面科学において絶縁体の表面構造は未開拓研究領域である。現在に至るまで表面構造を解析するプローブは電子線、イオンビームが利用されている。荷電粒子を用いたプローブは、絶縁体表面上でチャージアップ現象を起こす。この現象を打ち消す実験的手法が必要となる。そこで、電荷を持たない低速原子散乱装置を開発してきた。入射プローブは電気的に中性であるので固体表面での電荷蓄積を考慮することはない。平成22年度は3keV-^4He^0原子ビームを生成した。今回は、絶縁体結晶の表面原子マッピングによる原子構造イメージ像取得の開発を試みた。前年度に特許出願を行った原子の飛行時間を測定するための計測計時装置を活用した。この装置は、時間分解能が10nsecで4ch同時測定できる機能を要している。計測制御プログラムは、マッピングが取れるよう試料ホルダーに付随しているステッピングモータとの連動ができるようにした。しかしながら、中性化効率は電荷交換反応を用いているために相変わらず30-40%程度である。これは電荷交換反応による断面積を考慮して計算される値とよい一致を示しているが、より効率よく測定を行うために金属表面にイオンビームを一回散乱して中性化をはかる方法を考えている。以上に示す研究を重ねた結果、絶縁体表面原子構造のマッピング図が取れる装置となった。2次元的には、XY方向であるが、深さ方向をZ軸とすると、表面第1原子層から第5、6層付近までの原子配列を反映したイメージ像が取れるようになった。
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Research Products
(2 results)