2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物薄膜の結晶方位選択エピタキシャル成長の二次元制御の研究
Project/Area Number |
20560024
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
井上 知泰 Iwaki Meisei University, 科学技術学部, 教授 (60193596)
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Keywords | 方位選択成長 / エピタキシャル成長 / 反応性スパッタ / 電子ビーム照射 / 吸収電流像 |
Research Abstract |
シリコン基板上の二酸化セリウム(CeO2)薄膜のエピタキシャル成長において、基板表面ポテンシャルの制御によりエピタキシャル成長面の方位を人為的に自由に選択可能となることを発見し、方位選択エピタキシ(OSE)と名付けた。研究当初の基板バイアスによる表面ポテンシャル制御法に代って低速電子ビーム照射でも同等な効果が得られることを見出し、電子ビーム誘起OSEの条件最適化を進めると同時に、OSEの二次元パターンニングへの展開研究を進めた。本年度は、本研究予算により吸収電流像(AEI)表示システムを導入し、既存の低速電子ビーム照射装置に付加することにより、AEI像のモニタを可能とした。反応性スパッタ法による電子ビーム誘起OSE成長時に、試料表面を可視化して、電子ビーム照射位置(領域)を制御する技術の基礎研究を行った。 本年度に進めた研究の具体的内容は下記の通りである。 1 AEI表示システム利用した電子ビーム照射の動作テストを行い、試料面内電子ビーム描画照射の制御法を確立した。電子ビーム誘起OSEの最適加速電圧である90eVでの動作を前提としたが、この様な低加速電圧で、電子ビーム径が約3mmであるので画像分解能には限界があった。しかし、スパッタ時に導入するArガス雰囲気中では鮮明な画像コントラストが得られた。その理由が電子ビームによりArガスがイオン化され、Ar^+イオンが基板ホルダとの接触抵抗のために僅かに負に帯電しているSi基板に吸収され、基板ホルダとの吸収電流値の差にあることを突き止めた。 2電子ビームの他の作用として、製膜中の酸化反応促進作用があることも明らかとなってきたので、最適成長条件が従来の基板バイアス法とは異なることが判明した。反応性スパッタ時の酸素ガス導入量とプラズマ電力について、最適条件の検討を進めた。 3 CeO_2層の結晶性を、X線回折装置、300 keV透過型電子顕微鏡を用いた断面観察(XTEM)等により解析した。XTEM観察用の試料製作は、産業技術総合研究所のナノテクノロジー総合支援プロジェクトに参加し、集束イオンビーム加工装置を利用して行なった。
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Research Products
(6 results)