2009 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物薄膜の結晶方位選択エピタキシャル成長の二次元制御の研究
Project/Area Number |
20560024
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
井上 知泰 Iwaki Meisei University, 科学技術学部, 教授 (60193596)
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Keywords | 方位選択成長 / エピタキシャル成長 / 反応性スパッタ / 電子ビーム照射 / 吸収電流像 |
Research Abstract |
シリコン(100)基板上の二酸化セリウム(CeO_2)薄膜のエピタキシャル成長において、基板表面ポテンシャルの制御によりエピタキシャル成長する結晶面方位を自由に選択可能となる、方位選択エピタキシ(OSE)の研究を進めた。OSEには2つの方法が見出されているが、研究の当初に取り組んだ反応性スパッタ成膜時に基板バイアスを印加する方法に代えて、成長する面方位の空間分布を変化させることを狙って電子ビーム照射する方法を採用し本研究を開始した。昨年度に本研究計画で導入した吸収電流像(AEI)モニターを利用することにより、本研究のメインテーマである成長方位を二次元的に制御する技術への展開を図るための研究を推進した。 本年度に進めた研究の具体的内容は下記の通りである。 1) AEI表示システムを利用して、スパッタ装置内のシリコン基板の明瞭な映像が得られる様になったので、これを利用して主として矩形の電子ビーム照射領域の位置と大きさを変化させてエピタキシャル成長実験を行った。基本となる成長条件、電子ビーム加速エネルギー、酸素とアルゴンガス流量などについては既知の最適値を採用した。また、結晶性改善効果のある酸素ラジカルビーム照射を利用した。 2) その結果、初めて中央の電子ビーム照射部がCeO_2(100)で、周辺部がCeO_2(110)の試料を製作することができた。これにより本研究が目指しているOSEの二次元制御による複合面方位基板形成技術の実現への確証が得られ、今後の発展への大きな手掛かりとなり、研究の方向が定まった。 3) X線回折法を用いて結晶方位の試料面内分布を大雑把に測定した結果、CeO_2(100)と(110)領域の間に両方の方位成分を含んだ遷移領域があり、その幅がかなり広いことが分かった。
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Research Products
(6 results)