2010 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物薄膜の結晶方位選択エピタキシャル成長の二次元制御の研究
Project/Area Number |
20560024
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
井上 知泰 いわき明星大学, 科学技術学部, 教授 (60193596)
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Keywords | 方位選択成長 / エピタキシ / 反応性スパッタ / 電子ビーム照射 / 吸収電流像 |
Research Abstract |
1 シリコン(100)基板上の二酸化セリウム(CeO_2)薄膜のエピタキシャル成長において、基板表面ポテンシャルの制御によりエピタキシャル成長する結晶面方位を自由に選択可能となる、方位選択エピタキシ(OSE)の研究を進めた。OSEには2つの方法が見出されているが、研究の当初に取り組んだ反応性スパッタ製膜時に基板バイアスを印加する方法に代えて、成長する面方位の空間分布を変化させる狙いから、電子ビームを照射する方法を採用して本研究を推進した。初年度に本研究計画で導入した吸収電流像(AEI)モニタを利用することにより、電子ビーム照射領域の大きさと位置を制御する方法を確立し、同一基板面内にCeO_2(100)領域とCeO_2(110)領域を二次元制御して形成することに成功した。 2 研究期間中に得られた成果を箇条書きにすると以下の通りである。 (1) AEIモニタ装置を利用して、スパッタ装置内にセットされたSi基板の明瞭な映像が得られた。 (2) 反応性スパッタ時に照射する電子ビームの加速エネルギーの最適化実験を進め、90eVが最適値であることを明らかとした。また、スパッタ時のArと酸素ガスの流量の最適化も達成した。 (3) 電子ビーム照射領域がCeO_2(100)領域で、その外周部がCeO_2(110)領域となる複合面方位試料の製作に成功したことを、反射型高速電子回折(RHEED)測定により確認した。 (4) X線回折法(XRD)を用いて結晶方位の基板面内分布を精密に解析した結果、上記の複合面方位領域の結晶方位がRHEED測定結果と一致することを確認し、各領域の結晶性を評価した。 (5) XRD解析結果から、CeO_2(100)領域とCeO_2(110)領域の間に、両方の方位成分を持った遷移領域が存在することが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)