2008 Fiscal Year Annual Research Report
光化学修飾法による硫黄官能基化ダイヤモンド粉末の作製及び生体分子固定に関する研究
Project/Area Number |
20560029
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
中村 挙子 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (70357656)
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Keywords | ダイヤモンド粉末 / 表面化学修飾 / 硫黄官能基 / 自己組織化 / 生体分子固定 / 光反応 |
Research Abstract |
光化学修飾法を利用することにより、ダイヤモンド粉末表面ヘリンカー鎖を介さずに直接硫黄官能基を修飾し、基材であるダイヤモンドの特性を保持しつつ、新規特性を付与することを目的とする。 当該年度においては、単体硫黄の光分解反応を利用したダイヤモンド粉末表面上への硫黄官能基導入法の開発について集中的に検討した。具体的には、単体硫黄を二硫化炭素等の溶媒に溶解させ、水素終端ダイヤモンド粉末(粒径100-500nm)を入れて調製した後、残留酸素の影響を除去するためにアルゴン雰囲気下で攪拌しつつ、室温下で低圧水銀灯を照射した。ダイヤモンド粉末を洗浄処理後、XPS、FTIR、Raman等を用いて分析を行ったところ、XPSおよびFTIR測定により硫黄官能基(チオールおよびチオカルボニル基)の導入が確認された。また、化学修飾後のダイヤモンド構造の保持について確認するため、作製した試料についてRaman測定行ったところ、反応後においてもダイヤモンド特有のピークが観測されたことから、本表面化学修飾はダイヤモンド粉末の表面層のみで起こっていることが示唆される。 さらに、表面硫黄官能基を利用したダイヤモンド粉末表面上への自己組織化による金ナノ粒子担持について検討した。上記により作製した硫黄官能基化ダイヤモンド粉末を別途調整した粒径2nm程度の金ナノ粒子含有水溶液に侵漬させたところ、XPS測定により新たに金由来のピークが確認された。 本研究課題では生体分子固定など、補助事業者にとって新規分野への参入を伴うため、当該年度内に生体分子固定の確認観察用設備として蛍光顕微鏡を導入し、合成DNAを用いた生体分子観察の予備実験を合わせて行った。
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Research Products
(3 results)