2010 Fiscal Year Annual Research Report
微小試料の段差・歪み量を並列測定する光周波数走査顕微干渉システムの開発
Project/Area Number |
20560030
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
覚間 誠一 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (90204338)
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Keywords | 半導体レーザ / 干渉計 / 波長走査 / 微小段差 |
Research Abstract |
平成22年度では、前年度までに製作した周波数走査干渉システムをベースとして2個の逆方向周波数走査を施した面発光型半導体レーザ(VCSEL)を使用する顕微干渉計を構築した。本顕微干渉計は被験物体を搭載するステージを有しており、2枚のレンズで構成される顕微光学系でステージ上の対象エリア(約1mm四方)を6倍の像倍率で拡大観測する。物体表面からの反射光波面と参照波面との重なりで生じる干渉縞はCCDセンサーにより画像データとして2次元的に取得される。両VCSELの出射光は両者の波面を精密に一致させるために1本の偏波面保存ファイバに直交偏光として同軸入射させた後に干渉計に入射させている。被験サンプルとして1cm四方の銅ブロック表面上にマイクロマシニング加工により精密作製された微細柱状構造(底面200ミクロン四方、高さ200ミクロン、20ミクロンの2種類)を用いて試験を実施した。この構造のサイズは金属単結晶と同程度である。周波数走査中の基準干渉縞およびCCD画像はコンピュータ上に連続記録され、被験試料表面を100×100点に区画分割された試料表面上の各座標における干渉光路差を算出して3次元構造をコンピュータ内で再生する。ペルチエ素子を用いてサンプル温度を室温から26℃の幅で上昇・下降させ柱状部分の熱膨張量の検出試験を実施したところ、試料高さとともに1nm程度の膨張、伸縮が2次元的に同時計測されており、銅の熱膨張係数から予測される膨張量を捉えていることがわかった。このように開発したシステムによれば金属単結晶レベルでの熱膨張を検出できることが十分可能であることから、本研究の目標は十分に達成できたものと考えられる。
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Research Products
(4 results)