2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560037
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
唐澤 直樹 Chitose Institute of Science and Technology, 総合光科学部, 准教授 (00337099)
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Keywords | 超短光パルス / フォトニック結晶ファイバー / 光ソリトン / 波形整形 / コヒーレントアンチストークスラマン散乱分光 / 非線形顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究の目的は超短光パルス伝搬によりスペクトルの超広帯域化が可能なフォトニック結晶ファイバー(PCF)を用い、さらに空間光変調器を利用してPCFへの入射パルスを整形することによりスペクトル形状がコヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)顕微分光に最適化された超広帯域光波を生成することである。 平成20年度において分子振動周波数が約500cm^<-1>程度以上から約3000cm^<-1>にわたる広帯域なCARS信号を観測可能にするため、ストークス光波の中心波長及び遅延時間を波形整形光学系で制御する実験を行った。このときストークス光波としてはPCFから出射される基本ソリトンパルスを用いたが、その中心波長および遅延時間が入射パルスのパワーおよびチャープにどのように依存するかを評価した。そして基本ソリトンパルスの中心波長と遅延時間がPCFに入射する光パルスのチャープまたは強度、および群遅延の波形整形光学系による制御で任意に可変できることを確認した。このとき波形整形のための位相パターンとしては強度制御の場合コサイン位相を用い、チャープ制御の場合2次関数位相を用いた。この手法を用いて広帯域CARS計測を行うため、複数の位相パターンを空間光変調器において一定時間ごとに切り替えて自動的にCARS信号を広いスペクトル範囲で取得する光学系を試作した。そしてこの光学系を用いて5〜6種類程度の位相パターンを切り替えることにより実際に様々なポリマーサンプルの広帯域CARS計測が可能であることを実証した。
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