2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560038
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
庄司 一郎 中央大学, 理工学部, 教授 (90272385)
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Keywords | SiC / 非線形光学定数 / 波長変換 / 多重反射効果 / メーカーフリンジ法 / ウェッジ法 |
Research Abstract |
SiCはSiにくらべ絶縁破壊電圧が10倍,熱伝導率が3倍大きく,バンドギャップエネルギーも3.2eVと大きいことから,可視光発生用高出力波長変換材料の決定版になる可能性がある.しかしながら,波長変換の効率を決定づける2次非線形光学定数については,過去の報告の間でばらつきがきわめて大きく,値が確定していなかった.この原因は,測定に用いられた試料の品質と測定法との両方にあると考え,本研究は高純度高品質結晶と精密測定法を用い,Sicの2次非線形光学定数を正確に決定することを目的として行っている. これまでに,基本波光源に波長1.064μmのQスイッチNd : YAGレーザを用い,(0001)面および(11-20)面試料に対し,回転型Makerフリンジ法とウェッジ法の2種類の手法で測定を行った.回転型Makerフリンジ法では平行平板試料内でのビームの重なりのズレまで考慮した多重反射効果解析手法を確立し,ウェッジ法では,異なるメーカー製の2種類の6H-SiCと1種類の4H-SiCを用い,測定結果に対して多重反射効果を考慮した解析を行った.その際に必要となる屈折率は測定データより間接的に得た値を用いていたが,解析の精度をさらに向上すべく,屈折率の直接精密測定を可能とするシステムを構築した.その結果,1cm角サイズの試料が得られる結晶では±10^4以下の精度で屈折率を決定でき,小さな口径の試料しか得られないSiCに対しても高精度屈折率測定を遂行する目途がついた.これにより,波長変換デバイスの正確な設計および評価が可能となるため,今回得られた成果の意義は大きいと考えられる
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Research Products
(11 results)