2010 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーザ励起マイクロチップ固体レーザの横モード制御と応用技術に関する研究
Project/Area Number |
20560039
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大塚 建樹 東海大学, 情報理工学部, 教授 (60266369)
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Keywords | マイクロチップ固体レーザ / インス・ガウスモード / 軸ずれ励起 / 空間-偏光もつれ状態 / ベクトル特異点 / 動的不安定性 / 自己混合レーザ変調 / レーザドップラー速度計測 |
Research Abstract |
これまで(平成20~21年度)の研究経過を踏まえ、最終段階の研究を遂行し、以下の成果が得た。 横モード制御 (1) 前年度までに得られた、マイクロチップ固体レーザにおける横モードパターン生成・制御に関する総合報告(招待論文2件)をマックス・プランク複雑系物理研究所でのワーク・ショップで行った。 (2) 平成21年度に発見した、SU(2)コヒーレント状態の巨視的Analogueであるベクトル特異点を有する「空間-偏光もつれ」レーザ発振の崩壊のシナリオを実験的に見出し、軸ずれ励起による"利得導波モード"と光共振器による"幾何学的導波モード"の競合に基づく、動的不安定性の発現を検証した(Optics Letters論文) 自己混合レーザ計測 (1)「空間-偏光もつれ状態」で発振するマイクロチップ固体レーザを用いて、自己混合レーザドップラー速度(Laser Doppler Velocimetry ; LDV)計測を行い、もつれ状態を形成するIGモード対の電界強度比(即ち、偏光もつれ度)の増加に伴い、自己混合変調度が大幅に増加することを見出した。直線偏光で発振するレーザに比べ、自己混合LDV信号強度が10dB以上大きくなることが実験的に確認され、偏光もつれレーザの自己混合レーザ計測への応用可能性が開けた。現在、理論的検証を行っている。 (2)報告者(大塚)が1979年に発見した、薄片固体レーザにおける自己混合変調効果の原理と、我々が10年来、東海大学において行った自己混合レーザ計測技術とその将来展望をレビューした総合報告(招待論文)をSensors(Online Journal)に発表した。
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