2008 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理的手法によるデコヒーレンスまで含めた共振器QED効果の検証
Project/Area Number |
20560042
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
落合 哲行 National Institute for Materials Science, 量子ドットセンター, 主任研究員 (80399386)
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Keywords | 共振器QED / パーセル効果 |
Research Abstract |
近年、良質の半導体微小共振器(特にフォトニック結晶共振器)や量子ドットが作られるようになり、共振器モードと励起子間での強結合による真空ラビ分裂がいくつかのグループより報告されるようになった。しかし、この系において、従来の理論ではうまく説明できない現象が現われており、その謎の解明が急がれている。謎の1つは従来の理論が発光スペクトルに2重ピークがあらわれることを予言するのに対して、実験的には3重のピークが現れる点。もう一つは共振器モードと励起子エネルギーのdetuningが大きい場合でも、共振器モードの位置に発光ピークが現れる点である。研究代表者らは、フォトンの伝搬特性を考慮することで、強結合にある場合、発光スペクトルに3重ピークが現れることを、実験に先駆けて2006年に予言している。しかしフォトンの伝搬特性の評価の際に、一部見落としていた項があることが判明したため、理論の修正をおこなった。また、今年度は位相緩和の予備的考察にとどめ、共振器QED効果を解析するための数値計算コードを開発し、パーセル効果の実験との比較をおこなった。これらの成果は今後、位相緩和の性質を議論するうえで必要不可欠な要素である。
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Research Products
(1 results)