2009 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理的手法によるデコヒーレンスまで含めた共振器QED効果の検証
Project/Area Number |
20560042
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
落合 哲行 National Institute for Materials Science, 量子ドットセンター, 主任研究員 (80399386)
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Keywords | 共振器QED / 量子ドット / 局所状態密度 |
Research Abstract |
電磁場モードのreservoir中におかれた量子ドットを2準位原子と近似し、密度行列による現象論的なパラメータを導入することなしに、系の量子緩和ダイナミクスを記述する理論の構築をおこなっている。共振器とその他の電磁場モードを分け隔てなく扱うこと、また微視的なハミルトニアンから出発することに主眼をおいている。 平成21年度は、以前の理論で見落としていた電磁場のグリーン関数が関わる項についてと、ホワイトノイズによる位相緩和について調べた。また、具体的な物理系として、非マルコフ的でかつ異方性の強い緩和が期待される、1次元的に配列された連結球状共振器の解析を進めた。特に基本となるS行列、フォトニックバンド構造、グリーン関数、局所状態密度の定式化を完了し、数値計算のコードを作成した。また、発生した光子を効率的に取り出すために、球状共振器を光ファイバーへ埋め込んだ場合についての解析をおこなった。その結果、異なる光の輸送メカニズムによって、フォトニックバンド構造が形成され、光の状態密度のふるまいに違いがでることなどを明らかにした。 また、関連するテーマとして、系のゆらぎに強い電磁場の伝播モードについて調べ、その出現が系の時間反転対称性や空間反転対称性の破れの度合いによって大きく左右されることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)