Research Abstract |
地理・空間情報は,通常,緯度・経度を主体に考える.本研究の目的は,それを位相・接続の情報を主体に考えてシステム設計・構築を行い,さらに多次元に拡張することである.具体的な応用例としては,歩行者ナビゲーションを3次元情報つきで表示するための,データの構築・修正等である.すなわち,接続関係の情報を主体に扱うシステムのための数理的基礎を固めて,その上で多次元空間情報構築のための実用的なシステムを設計開発する. 本年度はデータモデル設計,処理システム開発,記述用部品開発,骨格構造データ作成とシステム評価,演算方式の確立,社会のインフラ調査の6項目を計画した. まず,多次元の実用システムのためのデータモデル設計の足掛かりとして,3次元限定であるが,グラフ(位相)構造をベースとした経路案内データを自動生成するシステムの構築・改良を進め,平成20年9月に韓国釜山にて開催された国際会議ASIA GIS2008で発表した. 試作システムには,空間情報のデータ構築・改変をネットワーク上分散して維持するための分散データベース機能設計も行った.この試作システム用テストデータとして作成した,中央大学理工学部キャンパスおよび多摩キャンパスの構造データについて,データモデルの妥当性について来年度以降検証予定である. 社会のインフラとしては,Google Earth/sketch upに代表される地理空間情報のためのツールについて調査中であり,特にruby APIの調査を深め,システムの連携について検討中である.なお,今年度着手に至らなかった記述のための部品開発,演算方式の確立については来年度以降の課題である.
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