2009 Fiscal Year Annual Research Report
農業系副産物の籾殻と大豆皮を用いた導電性粉体の開発とその応用
Project/Area Number |
20560064
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
飯塚 博 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (90142215)
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Keywords | 農業系副産物 / 籾殻 / 大豆皮 / 導電性 / 電磁波遮蔽 / 電磁波吸収 / DPEM / LDPE |
Research Abstract |
農業系副産物の籾殻および大豆皮焼成粉体を汎用のEPDMゴムに練りこみ,電磁波遮蔽性を測定した.その結果,200[MHz]程度までの低周波数領域で,40[dB]程度の高い遮蔽性が得られることがわかった.この際,籾殻焼成粉体よりも大豆皮焼成粉体を用いた複合材料で高い効果が得られた.電磁波を遮蔽する効果は,電磁波を試料表面での反射損失と試料内部での吸収損失に分けられる.本測定範囲では,ほとんどが反射損失であった.一般に,反射損失は大気中と試料のインピーダンス差が大きい程高く生じる.したがつて,Siが入らずに導電性が高い大豆皮焼成粉体を用いた試料において,電磁波遮蔽性が高くなったものと考えられる. つぎに,電磁波の吸収特性について,2~8[GHz]の高周波数の領域で測定を行った.その結果,35[dB]程度の高い電磁波吸収特性が,試料の厚さと粉体含浸量に依存した周波数域で得られた.籾殻焼成粉体と大豆皮焼成粉体の特性に大佐は無く,両者とも高い吸収性が得られた. 籾殻にSi樹脂を含浸してSi量を増やした焼成粉体について,プラスチックLDPEに配合して電磁遮蔽性を測定した.電磁遮蔽性は籾殻単体や大豆皮焼成粉体の場合と比較して低くなった.これは,Siには電気を通しにくい性質があり,導電性が低くなって電磁波の反射損失が低くなったためと考えられる. これらの特性を総合すると,電磁波の遮蔽効果については40[dB]程度に達し,実用の範囲内にあることがわかった.また,吸収効果についても,35[dB]程度の高い特性が得られ,厚さや配合量を適切に選択することで,所望の周波数域で高い吸収特性を得られる可能性が高いことがわかった.
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Research Products
(4 results)