2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560067
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 公一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20191306)
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Keywords | 超塑性 / 運動学 / ランダムウォーク / 確率過程 |
Research Abstract |
セラミックスにおいても超塑性現象が発見されてから,既に20年を経過しようとしているが,未だ,現象論的な記述の域を出ていないというのが現状である.この原因は,超塑性変形という力学現象が起こるための条件が,結晶粒子群という離散的な構造を考慮した運動方程式に関連付けて定式化していないことにあると考えられる,そこで,本研究では,申請者が取得した結晶粒子群の運動学的データを確率過程論に基づいて解析し,超塑性変形における結晶粒子群の動力学的理論を構築することを目的とした。本年度は,前年度に検討した摩擦力項を含むランジュバン方程式の摩擦項を時間の関数とした場合の解析を行った.まず,精密補正後の変位ベクトル図に対して,有限要素法で推定したドリフト速度ベクトル成分を差し引き、正味のランダムウォーク速度ベクトル成分を求めた.このランダムウォーク速度ベクトルに時間の関数とした摩擦項を含むランジュバン方程式を適用して,実験結果に見られる引張り軸方向とそれに垂直な方向の速度ベクトル成分の分散が再現できるかを調べた.その結果,変形の初期においては,引張り軸方向とそれに垂直方向のランダムウォーク速度ベクトルの分散が逆相関になっているが,変形が進行すると共に,分散が一致していく傾向をより明確に再現できることがわかった.なお,以上の研究成果を日本機械学会とアメリカ機械学会の合同国際会議で発表を行った.また,日本塑性加工学会のセミナーにおける招待講演を行った.
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Research Products
(4 results)