2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーピーニング処理を用いた航空機部材の軽量化と疲労安全性向上に関する研究
Project/Area Number |
20560068
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
越智 保雄 電気通信大学, 名誉教授 (70017416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 隆 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (00251710)
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Keywords | レーザーピーニング処理 / 航空機部材 / 疲労強度安全性向上 / 疲労き裂進展抑制 / 圧縮残留応力 / アルミニウム合金 / チタン合金 / オーステナイト系ステンレス鋼 |
Research Abstract |
主に航空部材として用いられるAl合金,Ti合金及びオーステナイト系ステンレス鋼を対象として,レーザーピーニング(LP)処理による疲労強度安全向上と疲労き裂発生・進展抑制効果について調査・検討を行った.得られた主な成果は以下である. (1)Al合金に対して回転曲げと軸荷重軸荷重疲労試験を実施した結果,回転曲げ疲労強度は全寿命域で疲労強度向上が得られたが,軸荷重疲労強度は高サイクル域でLP処理材が低強度となった.その原因をき裂先端の応力拡大係数を考察することで明らかとした. (2)Al合金鍛造材の回転曲げ疲労強度は鍛造方向に対して平行なLT材と直角なST材で異方性を持ち,LT材がLP処理材,未処理材とも疲労強度が高くなった.その原因を鍛造方向に対する結晶粒・微視組織の変形により明らかとした. (3)Ti合金の回転曲げ疲労強度はLP処理による高いひずみ硬化・圧縮残留応力に係わらず疲労強度向上は明確でなかった.その原因はLP処理により表面の粗さの増加であり,粗さを削除した表面研磨材では疲労強度向上が確認された. (4)SUS316Lに対して従来の表面処理手法であるショットピーニング(SP)処理,ショットレスピーニング処理及び低温ガス窒化・低温ガス浸炭処理の結果と比較した結果,いずれの処理よりもLP処理は圧縮残留応力の導入効果が大で,疲労強度向上効果が大きいことが明らかとなった.
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Research Products
(9 results)