2008 Fiscal Year Annual Research Report
表面改質によるマグネシウム合金の耐腐食疲労性能向上に関する研究
Project/Area Number |
20560069
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
石原 外美 University of Toyama, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (60019221)
|
Keywords | 疲労 / 腐食疲労 / メッキ処理 / Mg合金 / き裂発生 / き裂進展 |
Research Abstract |
マグネシウムは,実用金属中で最も軽量金属であり,寸法安定性,切削性,比強度,電磁波シールド性に優れるなど多くの長所を有しているが,最大の欠点として耐食性に乏しいという問題点がある. 筆者はこれまで,無電解Niメッキ法を用いてマグネシウム合金AZ31の腐食疲労強度改善を試みた.しかし腐食環境において,同材料の疲労寿命は裸材のそれよりもが低下し,無電解Niメッキ法によって,十分な腐食疲労性能を付与することができなかった.本研究では,無電解Niメッキに代わり,電解Niメッキ法を施した同材料の腐食疲労挙動について調査した.その結果,以下の実用的に有効な結果を得た. (1) 電解Niメッキ処理によって,腐食環境下での疲労寿命の減少を抑えることができ,大気中の疲労寿命とほぼ同程度の疲労寿命を得ることが出来た.従って,Mg合金の耐腐食疲労性能改善に,本電解Niメッキ処理法の有効性が確認され,実用に供することができる. (2) メッキ材の疲労破壊機構として,疲労き裂はメッキ表面の欠陥(幅約50μm,深さ約14μm),及び基材とメッキ界面に存在する欠陥(幅約100μm深さ約8μm)から発生し,そのご進展することによって試験片の最終破壊が生じる. (3) メッキ工程でメッキ表面に発生する欠陥数を低減させ,またその欠陥寸法を小さくすること,及び基材とメッキ界面に存在する欠陥を減少させるために,基材表面の欠陥除去によって疲労寿命はさらに増加するものと考えられる.
|
Research Products
(2 results)