2010 Fiscal Year Annual Research Report
一方向凝固超合金の真空中における下限界近傍高温疲労き裂進展特性と破面の定量評価
Project/Area Number |
20560074
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 昌宏 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10132630)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 司郎 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20107139)
|
Keywords | 高温疲労 / 荷重波形依存性 / 見かけの下限界 / 一方向凝固超合金 / 通常凝固超合金 / 荷重周波数依存性 |
Research Abstract |
本年度は研究の最終年度であったため総括することに全力を挙げるとともに,昨年度の荷重周波数依存性の研究を展開するべく,荷重波形依存性の研究に重点をおいた.さらに,昨年度行えなかった通常凝固Ni基超合金CC材に対する実験も行い新しい知見を得ることができた.この成果は機械学会関西支部第86期総会で発表した.以下に成果の概略を示す (1) 一方向凝固Ni基超合金DS材に対する大気中850℃及び900℃K_<max>一定ΔK漸減試験において,C-P波形(上鋸)及びP-C波形(下鋸)の最初の「見かけの」下限界(Proc.1)に達するのはC-P波形が早かった.一方真空中では,Proc.1においてP-C波形が早く下限界に達した.大気中でC-P波形の方が早く下限界に達したことに対しては,酸化膜の影響が大きいと考えられる.C-P波形はP-C波形と比較した場合,酸化膜の形成が容易となる波形となっているためと考えられ、いずれの環境下においても荷重波形依存性が認められるという新しく興味深い結果を得た (2) DS材大気中850℃において,デジタル顕微鏡による破面観察の結果,破面に認められた酸化物の色の差から,C-P波形及びP-C波形試験では酸化物の生成過程が異なっていることが考えられた.真空中試験片破面に対して電解研磨後にエッチングを行い観察した結果,いずれの温度においてもP-C波形のみ,すべり線が認められ,従ってC-P波形よりもP-C波形のほうがすべり変形が容易であると考えられる (3) CC材の荷重周波数依存性に対する大気中850℃及び900℃のK_<max>一定ΔK漸減試験において,K_<max>=20,22,及び24MPa・m^<1/2>におけるき裂進展挙動には荷重繰返し速度依存性が認められ,その結果両温度とも時間依存型き裂進展挙動が支配的であり,殊に900℃の場合に,より時間依存型き裂進展に強く支配されることが解った
|
Research Products
(3 results)