2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオンビーム援用超硬質cBN薄膜の作製と組成傾斜による内部応力緩和
Project/Area Number |
20560084
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
内田 仁 University of Hyogo, 大学院・工学研究科, 教授 (30047633)
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Keywords | 機械材料 / 長寿命化 / 薄膜 / イオンビーム / 内部応力 |
Research Abstract |
前年度では、優れた密着性が期待できるイオンビーム援用蒸着法により種々の超硬質cBN薄膜の作製を作製し、各種特性評価を基に最適成膜条件を検討した。その結果、作製したBN薄膜は加速電圧の低下、輸送費の増加および基板温度の低下により結晶構造がhBN単相から(hBN+cBN)混合相へと変化した。BN薄膜に生じる圧縮の内部応力は、(hBN+cBN)混合相が形成される成膜条件において最大になり、BN薄膜に生じる内部応力は硬度と高い負の相関があることを明らかにした。今年度は、BN薄膜に生じる内部応力の低減化を図るために種々の条件でBN中間層を第一層として堆積し、その上にcBN薄膜を形成することにより、積層膜の内部応力を詳しく調べた。また、BN薄膜に生じる内部応力について、原子レベルを考慮できる分子動力学法を拡張した準連続体力学と、複数の連続体モデルを取り扱い可能なマルチスケール有限要素法との連結手法により、数値解析的な立場から評価した。得られた結果を纏めると以下のよう要約できる。 1) 種々の条件でBN中間層を挿入することによりその内部応力を低減することが可能である。特に、中間層がhBNである場合、硬度の低下も少なく、高い密着性と硬度を同時に実現できる。一方、中間層のB単体の含有量が増加させると、内部応力が緩和することができるものの硬度は逆に低下する。 2) BN薄膜に生じる内部応力の発生要因として、hBNからcBNへの結晶構造が変化していることから、ここではhBNの結晶構造に原子が侵入したモデルを対象に数値解析した。hBNの連続体モデルの各要素に生じる全方向のひずみ成分の絶対値を調べるとhBNの[0001]方向の垂直ひずみおよび勇断ひずみが大きな値を示し、薄膜に生じる内部応力を連続体力学と同様にひずみ量と弾性定数との関係で定義するならば、この連続体モデルの各要素に生じる応力はひずみ量の増加の増加と共に増加すると考えられる。
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Research Products
(3 results)