2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20560087
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
金子 堅司 東京理科大学, 工学部, 教授 (40016803)
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Keywords | 溶射被膜 / 層間はく離 / せん断強度 / クリープ / 有限要素法 / 熱負荷・熱応力 / 疲労 / 応力特異性 |
Research Abstract |
本年は(1)900℃および1000℃の2条件で加熱処理した試料の遮熱被膜のはく離強度を室温下において5mm四方程度の切り出した小試験片を新たに開発した圧縮せん断試験により実験的に調べた。 (1) 本試験法により被膜の付着強度の正確な評価が可能であることが分かり,より簡便で試料作成も安価な試験法を提案できることとなった. (2) せん断荷重負荷位置はTC厚の85%下部が最適であり,微妙な調整に意を用いる必要がある. (3) 平均せん断応力τは,試験片厚み依存性があるので解析的な検討を行う必要がある. (4) 平均せん断応力τは加熱時間が5万秒まで上昇し,5万秒以降は減少する.この理由として破断面の観察から,加熱初期はTCとBCの界面強度増加,加熱時間5万秒後は更なる加熱によるTGO成長で界面強度の低下が確認された. 次に2年前に提案したねじりピンテスト法について,引張荷重を同時負荷し,複合負荷下での被膜剥離強度試験を行った. (1) 種々のピン径,被膜厚さ,引張負荷に対して確度の高い結果を得て,ピン径・被膜厚さ・引張り負荷の見かけの強度への影響が明確になった. (2) ピン径が小さいほど,また被膜厚さが厚いほど,引張り応力が小さいほど見かけの剥離強度は高くなる. (3) 被膜厚さが薄い場合は剥離が被膜内で生じており,正確な界面強度が測定されていないことが確認された. (4) 引張り応力の負荷によって界面端近傍の主応力は上昇することから引張り負荷下では見かけ上剥離強さは低下すると考えられるが,正確な解析を待つことになる. (5) ピン径が大きいほど界面端部に生じる応力特異性の影響は大きくなるので見かけ上強度は低下すると思われるが,定量的な検討は解析結果を待たなければいけない.
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Research Products
(6 results)