2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨細胞再生のためのポリ乳酸・圧電材料3次元構造スキャホールドの開発
Project/Area Number |
20560091
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
片山 傅生 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70161065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲町 英治 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (60099893)
田中 和人 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (50303855)
森田 有亮 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (80368141)
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Keywords | 薄膜創裂 / チタン酸バリウム / 骨再生 / 骨代替材料 / スキャホールド / 骨髄細胞 |
Research Abstract |
チタン酸バリウム(BaTiO_3)を用いた骨再生用足場材料の開発のため,BaTiO_3焼結材(BTO)の圧電効果が細胞の分化に及ぼす影響の評価を行なった.7週令オスFisherラットの大腿骨より採取した骨髄細胞(MSC)を用いて,細胞増殖性および骨芽細胞様細胞への分化性について評価を行った. BTOの圧電効果の影響を検討するために,疲労試験機に取付けひずみを負荷しながら材料表面上で骨髄細胞を培養できる培養器を開発した.BTO基材には68,180および235μεの繰り返し圧縮ひずみを負荷した。BTO基材に片振りの繰り返し圧縮荷重を負荷すると,BTO表面に両振りの電位が生じ,それぞれのひずみに対してBTO表面は表面電荷密度σ_<p.p>(-2.1)-1.5,(-4.2)-2.9および(-6.3)-4.4μC/cm^2に帯電した.電荷刺激を与えた骨髄細胞のALP活性およびCa産生量ともに電荷刺激を与えない場合より上昇した.このことから,BTO表面に生じた電荷が骨髄細胞を活性化し,骨芽細胞への分化を促進することが示唆された.一方,本研究においてひずみが骨髄細胞の骨芽細胞への分化に影響を及ぼす可能性がある.BTOを使用せずひずみのみを与えて培養した骨髄細胞のALP活性値はいずれの場合も増加しなかった.また,180μεおよび235μεのひずみのみを与えて培養した場合のCa産生量は8~19%上昇したが,BTO上で電荷刺激を与えた場合のCa産生量がALP活性と同様にいずれの場合もひずみのみの場合の値と比べて上昇した.このことから,BTO基材に生じたひずみよりもBTO基材に生じた表面電荷が骨髄細胞の骨芽細胞への分化を促進することが示唆された。これらの結果より,既存の骨置換材やscaffoldにBaTiO_3薄膜コーティングを施し,生体内で安全に使用することが可能だと考えられる.
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Research Products
(3 results)