2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノインプリント犠牲樹脂型インサート粉末射出成形によるマイクロ構造体の転写性評価
Project/Area Number |
20560094
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Research Institution | Osaka Prefectural College of Technology |
Principal Investigator |
西籔 和明 近畿大学, 理工学部, 准教授 (30208235)
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Keywords | 粉末射出成形 / ナノ粉末 / ナノインプリント / マイクロ構造体 / 転写性 / MIM / 銅 / 犠牲樹脂型 |
Research Abstract |
三年目の研究は,一年目と二年目に得られた研究成果を総括し,本プロセスに精通しない研究者に実生産に活用できる情報を提供できるよう国内外の学協会および学術雑誌で公表するとともに,産業分野への応用の可能性について探究した. 本年度は,下記の3つの研究課題に対して研究実施計画に記載した方法で概ね達成した.(1)ナノ銅粉の大気脱脂および焼結プロセスのメカニズムについて,成形体から脱脂および焼結過程における炭素・酸素量の測定,ならびに組織観察の調査により解明した.(2)マイクロ構造体のマクロとミクロスケールでの焼結収縮差を焼結体の全体寸法とL/S構造体の焼結収縮率の比較により調査した.(3)NIL犠牲樹脂型へのMIM原料の充填挙動をL/S構造体の成形体の断面観察により明らかにした.その結果,本提案プロセスの普遍性および制約条件が概ね明らかになり,実製造を目指した品質まで向上し,汎用射出成形解析ソフトを用いて平行方向と垂直方向のL/S構造体の充填挙動を調査した. 研究実施計画には,他の材質のナノ粒子に対してNIL/μ-SPiMINプロセスを適用し,本提案手法の普遍性を確認することを予定し,その材質をナノタングステン粒子および銅との混合粉末としていたが,ダイヤモンド粒子に材質変更し,μ-SPiMIMプロセスによるマイクロヒートシンクの製造可能性を検討した.その結果,ダイヤモンド粒子添加ナノ銅粉末製のマイクロ柱状構造体の試作に成功した.これは本研究で得られた脱脂・焼結条件の最適化により,ナノ銅粉の低温焼結性と犠牲樹脂型を活用できたため,欧州での展示会に出展し,外国雑誌や国内の新聞に掲載された. さらに,NIL犠牲樹脂インサート粉末射出成形法におけるナノ粉末の有効性と課題については,別手法であるスクリーン印刷法や製紙法等の調査を行うことにより,さらなる研究の発展につながる課題を見出した.
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Research Products
(9 results)