2008 Fiscal Year Annual Research Report
電子デバイスの鉛フリーはんだ接合部の強度評価法に関する研究
Project/Area Number |
20560098
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Research Institution | Hyogo Prefectural Institute of Technology |
Principal Investigator |
野崎 峰男 Hyogo Prefectural Institute of Technology, ものづくり開発部, 主任研究員 (10470238)
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Keywords | 鉛フリーはんだ / 低サイクル疲労 / クリープ疲労 / 応力集中 / 相当ひずみ |
Research Abstract |
電子デバイスのはんだ接合部は、例えば銅合金、樹脂およびはんだなど異なった熱膨張係数を有する材料で構成されている。したがって、はんだ接合部は、電源のon/off等に伴い、接合部品間の熱膨張係数の差により繰返し熱応力を受ける。はんだ接合部の形状は、はんだ付けの際、素子からのリードおよび基板側のランド等の被接合物の形状の影響によりフィレット状になる場合が多い。また、はんだの接合界面は、溶融はんだと接合部品間のぬれ性の影響を受け、幾何学的な不連続を生じやすい。さらに、はんだは常温で著しくクリープを呈する材料である。したがって、動作中の電子デバイスのはんだ接合部は、応力集中部にクリープ疲労負荷(クリープおよび疲労に起因する損傷を同時に与える負荷)を受けており、はんだ接合部の品質保証のためには、応力集中部に関するクリープ疲労寿命評価法を開発することが必要である。しかし、これまで、応力集中を伴うはんだ接合部のクリープ疲労寿命評価法に関する実験的研究はあまり実施されていない。 今年度の研究では、これまでの実験により得られている鉛フリーはんだSn-3.5Agの環状切欠き試験片を用いたクリープ疲労試験データを基に、応力集中を伴うSn-3.5Agはんだのクリープ疲労寿命評価法を考案した。具体的には、環状切欠き試験片の切欠き底断面におけるミーゼス型相当ひずみ分布を有限要素解析により求め、き裂発生時および最終破損時のき裂長さとミーゼス型相当ひずみ分布を関連付けることによりSn-3.5Agはんだのクリープ疲労寿命を評価する方法を考案した。
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