2009 Fiscal Year Annual Research Report
弾性案内と電磁力駆動によるミリストローク超精密位置決め機構の構成と制御
Project/Area Number |
20560103
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
深田 茂生 Shinshu University, 工学部, 教授 (70156743)
|
Keywords | 精密位置決め / 精密機構 / 運動制御 / 弾性案内 / 精密計測 |
Research Abstract |
本研究では,一体型複合ヒンジ機構による弾性案内と,電磁力アクチュエータとしてボイスコイルモータ(VCM)を用いた位置決め機構を研究対象とし,最大1×1mm(X×Y)程度のストローク(ミリストローク)にわたって1nmの分解能と10nmの動的運動精度を持つ平面位置決め機構を実現する.また,弾性案内の構造系における動的最適化と制御系の最適化の統合化設計の方法についてシミュレーションと実験により系統的に検討し,弾性案内-電磁力駆動によるミリストローク超精密位置決め機構の構成法を提示することを目的としている. 本年度は第2年度として,まず前年度に引続き位置決め機構の部品の加工を行い位置決め機構の製作を完了した.一体型複合ヒンジ機構については,加工の難易度が予想外に高いことが判明したため2部品に分割して製作した.次に,製作した機構の特性評価を行った.製作した弾性案内の静剛性を全軸(X-Y-θ)のについて測定し,アクチュエータ(VCM)の推力特性を測定した.その段階で,ミリストロークにわたってナノメートルレベルの分解能を達成するためには,VCMの駆動方法の改善が必要であることが判明したため,粗動用電源と微動用電源に分割し,両者を整合させるようなDA変換器の接続法と駆動アルゴリズムについて検討した.さらに単軸駆動による制御対象の同定と制御系設計を行った.ステップ応答および周波数応答の結果から制御対象の同定を行い,運動方程式から導出されるモデルと比較した.振動減衰のために充填するシリコーン油の最適な粘度を決定し,位置決め動作のシミュレーションおよび制御系設計のための動的モデルを作成した.位置決め制御アルゴリズムについてシミュレーションにより検討し,次年度に行う全軸駆動による位置決め制御性能の実験的評価の準備を完了した.
|
Research Products
(2 results)