2011 Fiscal Year Annual Research Report
拡張後絞る押出しによるバリ無し歯車の成形に関する研究
Project/Area Number |
20560104
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉田 始 静岡大学, 工学部, 助教 (90283340)
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Keywords | 成形加工 / 冷間押出し / 平歯車 / はすば歯車 / 鍛流線 |
Research Abstract |
車の変速機などに使用される高性能歯車の成形は切削除去加工であるボブ盤で成形されているコスト削減の要求から,塑性変形を利用した冷間押出しが一部実用化されている.冷間押出しは素材の逃げが常に確保されるために低い面圧で良好なる歯車の成形が可能である.しかし外径を絞る方法では成形品端面に,歯先と歯底での断面減少率が異なることに起因したバリ状凹凸が生じる.実用に供する場合には,これらの凹凸を除去する後加工が必要となっている。成形歯車はサイジングを兼ねて型内に挿入し据込むことで,部分矯正は可能となるが凹凸がバリ状のため不規則な折れ込みが生じる.最終的に旋盤などの旋削加工で除去しているのが現状である.押出しでの荷重は試料の断面減少率に比例するので,荷重を低く抑えることが出来ればバリ状凹凸の生じる原因の一つである摩擦を大きく減少できることになり凹凸を抑えることが可能となる. そこで本年度の研究は今までの結果を受け,内歯車を対象に本成形方法を適用し,高周波焼入れが可能となる炭素量を持つS45Cや浸炭のみした試料を用い成形を行った.熱処理も含めライン内での歯車成形の可能性を検討したものである.結果として低い面圧で歯車成形が可能であることが確認できた. 自動車の軽量化のため,動力を伝達する軸を中空化することが望まれており,この中空部品の一部に歯車を成形する方法についても検討した。中空素材が半径方向内側に逃げることを抑えるために中空部にマンドレル挿入の替わりにワックスと鋼球等を組み合わせることにより歯車成形が可能である条件を確認できた. 残念ながら,大きな目的である成形品端面に生じるバリ状の凹凸を,少なくすることは可能であったが無くすことは出来なかった.
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Research Products
(9 results)