2008 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素化剤-シリコン界面固相反応を用いたシリコン表面の光転写・形状創成一括加工
Project/Area Number |
20560107
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
打越 純一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90273581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 瑞穂 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50157905)
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Keywords | 光エッチング / シリコン / フッ素化剤 / 半導体 / 形状創成 / エッチング / 表面 / 界面 |
Research Abstract |
本研究の目的は、シンクロトロン放射光用ミラーなどに用いられる単結晶シリコンミラーの形状創成加工を、近赤外光干渉法を用いた計測と、フッ素化剤によるエッチング加工を組み合わせることで、極めて高い形状精度で行うことにある。シリコン表面にフッ素化剤を塗布し、光を照射して、フッ素化剤との化学反応により、シリコン表面をエッチングする。塗布面への光照射時間によりエッチング量が制御できれば形状創成加工が可能となると考えられる。これまでの研究で紫外線だけでなく可視域の波長の光の照射によりフッ素化剤を塗布したシリコンをエッチングできることを確認している。エッチング剤として使用したフッ素化剤はN-フルオロピリジニウム塩である。実験では、洗浄プロセスによって疎水性または親水性表面を作成したシリコン(001)ウエハを用いた。可視光源プロジェクターでライン状や星型、正方形、円、L字型などのパターンを、固体フッ素化剤を塗布したシリコンに光照射した。所定時間照射後に、アセトニトリルによってN-フルオロピリジニウム塩を除去して、位相シフト顕微干渉計によってパターンのエッチング深さを測定し、照射パターンの転写加工ができることを確認した。しかし、塗布したフッ素化剤は結晶化して厚さが不均一なため、均一な深さの段差加工はできなかった。そこで、均一な厚さで塗布するために、固体のフッ素化剤を2種類混合することでフッ素化剤の融点を室温以下に下げて、液状にして塗布した。その結果、深さの均一な段差加工が可能になった。液状のフッ素化剤による疎水性および親水性表面のシリコンに対するエッチング深さは時間とともに増加し、また光強度とともに増加することを確認した。これらの結果は、光照射パターン、光強度分布の制御によりシリコン表面に任意形状を少ない工程で創成できることを示している。
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Research Products
(4 results)