2008 Fiscal Year Annual Research Report
吸引キャビテーション流を利用する水晶ウエハの超精密三次元マイクロ砥粒加工法の開発
Project/Area Number |
20560109
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大橋 一仁 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (10223918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 眞也 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80163773)
長谷川 裕之 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60403482)
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Keywords | マイクロ砥粒加工 / キャビテーション / スラリー / 衝撃力 / 材料除去量 / 表面粗さ |
Research Abstract |
今年度は,水晶ウエハを超精密三次元マイクロ加工するためのスラリーのキャビテーション発生方式を検討し,その加工効果を実験的に明らかにすることを試みた. 本研究の最初のステップとして,反転流型による吸引キャビテーション流を用いて,水晶ウエハを模したガラス基板を広範囲に砥粒加工しようとする場合の基本加工現象を解明し,加工条件による加工特性への影響を実験的に検討した.試作した反転流型吸引キャビテーション援用砥粒加工装置を用いて加工実験を行った結果,スラリーの流入する絞りノズル位置に対して対称に基板表面に加工効果が及ぼされ,微細な窪みが形成されることを明らかにした.なお,材料除去量の評価においては,基板表面に材料除去量よりも大きい規模で不規則なうねりが存在し,加工された基板表面の形状測定だけでは材料除去量の評価が不可能な場合にも正確な材料除去量を得ることができる手法を開発した.また,材料除去量は,スラリーの流入する絞りノズルの径およびノズルと基板間のクリアランスに影響され,加工領域の中心において最大になるものと中心よりもその周囲において最大になる二つの形態になることを明らかにした.これら二つの材料除去形態は,基板表面におけるキャビテーション衝撃力の分布と定性的に一致しており,絞りノズルからのスラリー流が基板表面までに到達するまでのキャビテーションの発生形態に支配されることを明らかにした.すなわち本加工法は,噴射加工の加工領域にみられるスラリーのよどみ点が存在しない状態で加工することが可能であることが明らかになった.なお,WA4000を用いて本加工法によって得られた表面粗さは,約20nmRzであった.
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