2008 Fiscal Year Annual Research Report
砥粒切れ刃密度のインプロセス計測に基づくスキルフリー鏡面研削加工法
Project/Area Number |
20560112
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
坂本 治久 Sophia University, 理工学部, 准教授 (40276514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 伸二 上智大学, 理工学部, 教授 (70146801)
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Keywords | 鏡面研削 / 研削砥石 / 作業面 / プロファイル / 研削抵抗 / 切れ刃密度 / 実効切れ刃層深さ / インプロセス計測 |
Research Abstract |
本研究では,鏡面研削を熟練技能者に頼ることなくスキルフリーで実現するための具体的方法の提案を目的としている.平成20年度は,このために必要不可欠な砥石作業面における切れ刃密度定量化の技術を中心に検討を行った.得られた主な成果は,大きく以下の3点である.(1)同一の作業面を繰返し測定できる脱着式プロファイル測定システムの構築(2)ピーク高さの度数分布から実際の砥粒高さの度数分布を推定する方法の考案,および(3)研削作用を生じる砥粒の存在する層の厚さに基づいた切れ刃密度の決定法の考案. まず(1)に関しては,レーザ変位計の脱着に伴う測定誤差の対策が重要であった.そこで,研削盤上に測定基準を新たに設けNC制御との組合せにより,レーザ変位計の脱着の影響を除去した砥石作業面プロファイル測定を可能にできた. 次に(2)に関しては,幅わずか15umの断面として測定される作業面プロファイルから,その測定線上に存在するすべて砥粒の最大高さの分布を推定する手法が求められた,これに対しては,砥粒の分布特性に基づいて,プロファイルのピーク高さ分布との相関性から,作業面の砥粒高さ分布を推定する手法を考案できた. 最後に(3)に関しては,砥石が工作物に実際に干渉する深さ,すなわち実効切れ刃層深さが,切込み深さの指示値から定まる幾何学的切りくず厚さとは異なることが問題であった.そこで,法線研削抵抗を同時に測定することにより,その値と砥粒の支持剛性および工作物と干渉する砥粒数に基づいて実効切れ刃層深さを定める新しい方法を考案した.砥粒高さ分布がガウス分布に近い分布特性を有するため,実効切れ刃層深さに対して切れ刃密度は非線形に変化する.このため,実測した研削抵抗と仮に定めた実効切れ刃層深さから算出される研削抵抗との誤差を最小にするように繰返し計算することにより,実効切れ刃層深さおよび切れ刃密度を矛盾なく定められるようになった. 以上の成果により,インプロセス計測した作業面プロファイルおよび研削抵抗から切れ刃密度を定める方法を確立できた.
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Research Products
(4 results)