2008 Fiscal Year Annual Research Report
超硬質Ti-B-Cコーティングによるドライ切削用高耐熱工具の開発
Project/Area Number |
20560114
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
神崎 昌郎 Tokai University, 工学部, 教授 (20366024)
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Keywords | 薄膜 / スパッタリング / 切削加工 / チタン / ホウ素 / 炭素 |
Research Abstract |
本研究はチタン合金をはじめとする難削材の切削加工における環境対応化および高効率化を促進させることを目的に,広義のドライ加工(セミドライ加工を含む)に適用可能な高耐熱工具を新規硬質Ti-B-Cコーティングにより創成することを目指すものである. 平成20年度は,まず, TiB_2を骨格材料とするTi-B-C薄膜創成に関する基礎的知見を集積するために,現有のDC二元マグネトロンスパッタリング装置に改良を施した.具体的には, Ti-B-C薄膜創成時の基板にバイアス電圧を印加できるよう,絶縁対策および電源設置を行った.この装置改良により, TiB_2ターゲットに印加する電力,基板温度,メタンガス導入量に加えて,独立に制御できる成膜パラメーターが一つ増え, Ti-B-C薄膜の結晶性の制御および硬質化を効果的に行うことが可能となった. また,上記のスパッタリング装置の改良と並行してTi-B-C薄膜創成実験を行い, B/Tiを2以上にすること,および薄膜中の酸素含有量を低下させることがTi-B-C薄膜の硬質化(微小硬度30GPa以上)に重要であることが明らかとなった. 現有のDC二元マグネトロンスパッタリング装置の改良とその装置を用いた成膜実験により得られたTi-B-C薄膜の評価を行うとともに,平成20年度はTi-B-Cコーテッド工具の加工性能評価および加工現象把握を可能とするシステムを構築した.これにより,工具刃先近傍から切削点へのミスト(潤滑油)供給が可能となり, Ti-B-Cコーテッド工具を用いた難削材のセミドライ加工実現に近づいた.
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