2010 Fiscal Year Annual Research Report
複合材料の振動外周刃切断方式による高能率・長寿命切断技術の開発
Project/Area Number |
20560116
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 憲一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00064452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畝田 道雄 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (00298324)
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Keywords | 複合材料 / 切断加工 / 砥粒加工 / 外周刃 / 振動 / 高能率 / 工具寿命 |
Research Abstract |
本申請研究は「複合材料の振動外周刃切断方式による高能率・長寿命切断技術」の開発を目的に,振動応用技術の観点から実施するものである.本目的の達成のために平成22年度に実施した成果を要約すると以下のとおりとなる. (1) 大型工作物の切断加工を指向した振動付与における変位振幅の効果検証 平成21年度までの検討によって,複合材料の切断に対して振動付与の効果は高いことを確認してきた.そして,新たに試作した「加振・実験システム」を用いて,振動付与における変位振幅が切断特性に与える影響を検証した.さらには,CFRPの繊維方向が切断特性に及ぼす影響についても追加検討を行った.その結果,(1)CFRPの繊維方向が工作物の切断送り方向に対して直交に近い程,工具摩耗量は増加する傾向を示すこと,(2)付与する変位振幅の増加に伴って振動切断における工具摩耗量の低減効果は増大する傾向を示すこと,(3)変位振幅の増加に伴って切断面における表面うねりは改善するものの,表面粗さとチッピングは幾分悪化する傾向を示すこと,を明らかにした. (2) 振動応用技術による複合材料の高能率・長寿命切断の可能性検証 本申請研究を通じて,複合材料の外周刃による切断方式に振動付与を行うことによって,切断面(表面粗さ・チッピング)精度は幾分低下する傾向にあるものの,従来までに大きな問題とされてきた工具摩耗量の飛躍的低減を可能にすることを明らかにした.特に付与する変位振幅によっては工具摩耗量を半分以下に抑えることが可能になり,このことは工具寿命を2倍にするというものである.このような成果は,従来まで困難であった極薄外周刃の使用可能性を示唆し得る結果であり,振動外周刃切断方式の適用範囲拡大と実用化,並びに複合材料におけるさらなる使用範囲の拡大を図る上で顕著な意義を有すると言える.
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