2008 Fiscal Year Annual Research Report
超硬質材料を対象とした高能率・高精度みがき加工に関する研究
Project/Area Number |
20560117
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 秀治 Kanazawa Institute of Technology, 工学部, 准教授 (90278101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 一博 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80139758)
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Keywords | 超硬合金 / 高速摺動 / ポリベンズイミダゾール / 金型 / 磨き加工 |
Research Abstract |
最先端技術を支えるガラスレンズ金型などの部品製造においては超硬質材料が使用される場合が多く、磨き加工においても材料の有する難加工特性が問題視されている。本研究においては、このため微細摩耗粉生成現象を有するポリベンズイミダゾール材を工具として用いることにより、超硬合金材料を対象とした高能率・高精度みがき加工の構築を試みる。微細摩耗粉生成現象は既に確認されているものの、(1)生成される微細摩耗粉による加工メカニズムの解明が必要である。さらに(2)微細摩耗粉が関与する場合には静電気が大きな影響を与える場合があり、これを考慮した最適みがき加工条件の選定を検討する。本年度は、ポリベンズイミダゾール(PBI)材料と超硬合金材料を17m/s付近の条件で高速摺動させることにより、超硬材料が短時間(約60秒)で仕上げられることを明らかとしている。また、加工前後のポリベンズイミダゾール材料を対象とし、フーリエ変換赤外分光法(FT-IR-ATR)を用いたPBI材料の微視的構造の観察結果より、微細摩耗粉によるみがきメカニズムが働いていることが推定できる段階まで件所を進めることができた。さらに、摺動速度,面圧力などの条件を考慮し、みがき能率の把握と加工面性状の観察によるみがき条件の最適化を試み、モデル的な摺動実験における摺動速度,面圧力がそれぞれ16.7m/s,6.4MPa付近が適切であることを明らかとした。なお、本年度実施予定の自由曲面磨き用の工具設計、摺動温度の測定には至っていない。
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