2010 Fiscal Year Annual Research Report
6軸連続ECAP超微細加工法による耐熱マグネシウム合金の高じん性化の研究
Project/Area Number |
20560118
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
田中 達也 同志社大学, 理工学部, 教授 (70434678)
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Keywords | アルミニウム鋳造合金 / 半凝固材料 / ECAP加工法 / 連続加工 / 金属組織微細化 / 背圧 / 衝撃強度 / 引張り強度 |
Research Abstract |
本研究では,供試材に半凝固組織を有するAC4CHアルミニウム鋳造合金を用いてECAP法により結晶を微細化させ,高強度化と延性の向上による靭性の向上を目的とした.耐熱マグネシウム合金を最終目的としたが,安定した供給が困難であり,耐熱マグネシウム合金に代替可能でより実用的なAC4CHアルミニウム鋳造合金を供試材とした.ECAP法の課題は連続押出しが困難で押出しPass毎に金型から取り出す必要がある.最近,産総研で新しい連続押出しが考案されたが,マグネシウムやアルミニウム合金のECAP法による微細押出しに適していると言われるルートbc(押出す毎に90度軸方向に回転する)の押出し経路が,上記の方法では困難である.そこで,背圧制御が可能な(前年度の成果)新しく試作した多軸押出し金型により基礎実験を行い押出し経路形状の最適化によるECAP連続押出し加工法の有効性を確認した.結果として,以下のことが分かった. (1) AC4CH半凝固材料はAC4CH全溶融材料と比較して大きな伸びと高い強度を有する. (2) ECAP加工後の機械的特性は,Ψ=15°(押出し経路内側の角度)のダイスを用いた場合は歪みが,一方Ψ=0°の場合は強度が向上する. (3) Ψ=0°の場合は,Ψ=15°の場合よりも大きなせん断歪みを与えることができるため,結晶粒がより微細化して強度が向上する. (4) ダイスのチャンネル形状に関係なくECAP後の衝撃値はパス数の増加とともに向上する. (5) 連続押出では押出し毎に試料が膨張するため,その後のパスで押出荷重が上昇する. 経路内側の角度Ψ=0°としても連続押出しが可能で強度も向上することを確認できた.一方,さらなる連続押出しには試料の変形を抑える対策が必要であることが分かった.
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