Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 誠宏 関西大学, システム理工学部, 教授 (50067732)
小田 廣和 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (30067756)
島田 尚一 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20029317)
古城 直道 関西大学, システム理工学部, 助教 (80511716)
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Research Abstract |
今年度は以下の3つの成果を得ることができた。 1.鋼(軸受鋼)の超仕上に対する複合砥粒砥石CeO_2-cBN砥石の性能評価を行った.本砥石では,CeO_2砥粒によりメカノケミカル(MC)反応により鋼表面に酸化膜を形成しcBN砥粒で除去する形態をとることがわかった.したがって,その効果により,従来のcBNのみの砥石に比べ,i)表面残留応力が小さい,ii)加工変質層が薄い,iii)負の歪度をもつ粗さの小さい表面が生成できる,といった特徴を有することから,従来のcBN砥石より軸受面の仕上面生成には適していることがわかった. 2.同じく軸受鋼の超仕上に対する複合砥粒砥石BaSO_4-SD砥石の性能評価を行った.本砥石では,硬質砥粒として超微細のダイヤモンド砥粒を用いている.周知のように,ダイヤモンドで鋼を加工するとダイヤモンド中の炭素が鋼へ拡散することにより,他の材料に比ベダイヤの損耗が激しいために一般には避けられる.しかし,先の課題でも明らかになったように,MC砥粒は鋼表面を酸化するので,ダイヤモンド砥粒は鋼の酸化面を除去することになり,その分損耗が抑制されるのではないかと考え超仕上実験を行った.実験の結果,SDのみの砥石に比べSD砥粒の損耗は抑えられ,かつSDとほぼ同等の加工性能を得ることができた. 以上のように,複合砥粒砥石では,ガラスのみならず鋼においても,MC砥粒単独の砥石よりも高能率で,しかも硬質砥粒単独の砥石に比べ表面特性の良好な加工面が生成できることがわかった.また,従来鋼に使用できなかったダイヤモンド砥粒も複合砥粒砥石では適用できることがわかった. 3.複合砥粒砥石における研削機構モデルの構築では,複合砥粒砥石の構造モデルおよび作用面トポグラフィモデルの構築を行った.特に,トポグラフィモデルにおいて,従来のフラクタル描画法に改良を加え,cBN砥粒とCeO_2砥粒の作用面上での分布が実砥石のそれに近くなるようすることができた.
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